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潤滑油について

今回は潤滑油について一度基礎的な点について振り返ってみようと思います。
~潤滑油の働き~
潤滑油の一番大きな働きは摩擦を低減させることです。
摩擦とは物と物とが直接触れ合う部分を動かすときに生じる抵抗の事です。
そこで、この物と物の間に潤滑油の薄い膜を挟むことで摩擦を大幅に軽減できます。
例えば、手を擦り合わせる時に何も手に付けていないのと、石鹸や保湿オイルを付けたときでは
付けたときの方がよく滑りませんか?それとよく似ています。
潤滑油は摩擦を減らすことで
・摩擦や焼き付きを防止し機械の寿命を延ばす
・機械をスムーズに稼働させ、エネルギーロスを低減する
といった働きをします。
その他にも
・摩擦熱を冷やす冷却作用
・ガス漏れやホコリ等の進入を防ぐ密封作用
・汚れを落とす洗浄作用
・錆や腐食を防ぐ防錆作用
などを持ち合わせており、用途や使用される設備、機械などに応じて求められる作用は変わってきます。
~潤滑油の構成~
潤滑油は一般にベースオイルと添加剤の組み合わせから構成されています。
ベースオイル :潤滑油の中身の大方を占め、潤滑油の基本的な性能を支えます
添加剤 :ベースオイルで不足している性能を補い、潤滑油の性能を高めます
ベースオイルは大きく分けて5つのグループに分類されます。
グループⅠ | 鉱物油 (石油系炭化水素) 溶剤精製 |
グループⅡ | 鉱物油 (石油系炭化水素) 水素化処理 |
グループⅢ | 鉱物油 (石油系炭化水素) 水素化処理 |
グループⅣ | 主にPAO (合成炭化水素) |
グループⅤ | 上記に属さないベースオイル |
グループⅠ~Ⅲはいわゆる鉱物油系のベースオイルになります。石油の蒸留分から精製され、
グループの数字が上がるほど精製度が高くなります。
グループⅣは一から分子設計を行い合成して作られる為、不純物が無くベースオイル自体の性能が
良いのが特徴ですが、その反面、高価になります。一般に化学合成油と呼ばれる分類です。
グループⅤはⅠ~Ⅳ以外のベースオイルで、代表的なものにエステルが挙げられます。エステルは潤滑性能が高く、生分解性も見込めるオイルです。
添加剤にも様々な種類があります(一部を以下に紹介します)
酸化防止剤 | オイルの酸化を防ぎ、寿命を延ばします |
清浄分散剤 | ススや汚れを洗い落とし、オイル中に分散させます |
油性向上剤 | 金属表面に付着し、強力な油膜を作ります |
錆止め剤 | 酸素や水を遮断し、鉄の錆びを防ぎます |
腐食防止剤 | 鉄以外の金属(銅、アルミ等)の腐食を防ぎます |
乳化剤 | 水とオイルを混ざりやすくします |
前述にもありましたが、機械や設備などにより、潤滑油に求められる性能や役割が異なるため最適な
ベースオイルと添加剤を組合わせていくことが必要になります。
今回はこちらで以上になります、本日も最後までご覧いただきありがとうございました!