農業機械用潤滑油

農業機械用潤滑油
について

トラクター、コンバイン、田植機等、様々な農業機械にお使いいただける製品群では、農業機械用潤滑油に求められる基本性能に加え、寒冷地に対応できる低温流動性と長く使用できるロングライフ性を兼ね備えております。

THF、STOU等共通潤滑油からジョンディア等大型トラクターやDPF対応製品、田畑の環境に配慮した環境対応型製品まで、多様なラインナップを取り揃えております。

潤滑箇所と潤滑油に求められる性能

エンジン 自動車に使用されるエンジンオイルの基本性能に加え、ガソリン、軽油のいずれの燃料にも対応できること、寒冷地でのエンジン始動性を考慮した低温流動性等。
駆動系統 変速機、差動装置等の多くを構成する歯車を潤滑するための耐荷重性、耐摩耗性、適正粘度、酸化安定性、防錆・防腐食性等。
油圧駆動系統 湿式ブレーキや湿式クラッチに対応する、摩擦特性、高温粘度特性、酸化安定性、耐摩耗性、防錆・防食性、せん断安定性、低温流動性、耐水性等。
油圧系統 昇降装置や油圧クラッチ等、様々な装置に使用されるため、高温粘度特性、耐摩耗性、耐荷重性、酸化安定性、清浄分散性、防錆・防腐性、せん断安定性、シ-ル材適合性、消泡性、耐水性等が求められる。
関節、しゅう動部 シャーシやチェン等のグリース給脂部には極圧性のグリースが使われるが、潤滑条件が苛酷なことから優れた極圧性に加え、耐熱性、耐水性、錆止め性等が求められる。

自動車用潤滑油と農業機械用潤滑油について

  • エンジン油ENGINE OIL

    エンジン油は自動車用、農業用の区別はなくエンジン油規格SAE粘度分類およびAPIサービス分類が使用されています。

  • ギヤー油GEAR OIL

    ギヤー油の場合も基本的にはエンジン油と同様、自動車用規格が使用されますが、農業機械の中には湿式ブレーキや油圧式トランスミッションなど農業機械独自の特殊な装置が採用されているため、自動車用ギヤー油とは違う専用の油が必要になる場合があります。

農業機械の専用オイルと共通潤滑油について

01専用オイルとしての側面

特にトラクター等、エンジンオイル以外の潤滑油については、メーカー毎に「専用オイル」の使用が指示されている場合があります。この「専用オイル」の使用は近年の農業機械の駆動が機械式から油圧式に変わってきたことに起因しています。

油圧式トランスミッションの採用によって潤滑油に対する要求性能が高まり、既存のギヤー油や一般油圧作動油では要求性能が得られないため、油圧式トランスミッション専用オイルが開発されています。

02共通潤滑油としての側面

トラクターやコンバインにはトランスミッションの他にエンジン、デファレンシャル、油圧装置、湿式ブレーキ装置、ギヤケースなど多くの給油箇所があります。そのため、潤滑油の給油ミスや給油箇所ごとに潤滑油を使い分ける煩わしさや不経済性を避けることが重要な事項になっております。

潤滑油の共通化、兼用化を図りひとつの農業機械に用いる潤滑油の種類を必要最小限にとどめる必要があるため、他の箇所にも共通使用できるオイルが開発されています。

  • STOU(スーパートラクターオイルユニバーサル)

    エンジンオイル、ギヤーオイル、油圧オイルとして共通使用できる農業機械用潤滑油です。比較的古い農業機械に使用されます。

  • THF(トランスミッションハイドロリックフル-ド)

    TOU(トラクターオイルユニバーサル)とも呼び、ギヤーオイル、油圧オイルとして共通使用できる農業機械用潤滑油です。STOUのようにエンジンオイルとしては使えないが、最新の油圧式トランスミッションに対応できるものがあります。

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